そもそもは、お互いの仕事に関心を持っていた文学者たちが、定期的に顔を合わせ、話をするようになったのが、この会の発端でした。せっかく同時代に文学に携わっているというのに、私たちが面と向かって話をするのは、文芸誌の対談やシンポジウムなど、数年に一度くらいで、ヘタをすると、その機会さえありませんでした。
本はもちろん、家で独りでじっくり読めばいいのですが、読んだ本について語り合うというのもまた、文学の大きな喜びです。古今東西の作品についてのみならず、お互いの書いたものについても、忌憚なく意見を述べ合いました。その場所が、たまたま飯田橋界隈だったので、会の名称は、「飯田橋文学会」となりました。
文学の歴史の長さだけ、それぞれの時代に、それぞれの文学好きの集いがありました。飯田橋文学会の面々は、何らかの文学理念の下に集まったわけではありません。
むしろ、個々の自由な活動によって、相互に常に新鮮な刺激であり続けることこそが理想です。
私たちは、そして、この「家で独りで」本を読むことにとどまらない文学の楽しみを、より多くの人と分かち合いたいと考え、この度、ホームページを立ち上げることにしました。参加者の創作物や最新ニュース、朗読・対談その他の動画、ゲストの招待、イヴェントの告知、メールマガジン等、皆さんと一緒に、内容の充実を図っていきたいと思っています。
ここが新しい、開かれた文学の交流の場となることを切望しています。
2013年4月 飯田橋文学会一同
作家
青木 淳悟
翻訳家・作家
コリーヌ・アトラン
翻訳家
マイサラ・アフィーフィー
東京大学准教授
阿部 賢一
東京大学准教授
阿部 公彦
作家・翻訳家・早稲田大学准教授
辛島デイヴィッド
東京大学教授
ロバート・キャンベル
翻訳家
鴻巣 友季子
また、翻訳のあり方や方法論に関する評論を続けている。
文学とワインを論じ合わせ、両者に通底する本質を考察する異色のワイン文学論「カーヴの隅の本棚」を「文學界」に足かけ9年、103回に亘って連載。
国内外の文芸評論も行う。朝日新聞書評委員(2007年~2011年)、毎日新聞書評委員(2011年~現在)。
週刊朝日および週刊ポスト書評委員、週刊新潮定期寄稿者。NHKラジオ第1「すっぴん!」内「新刊コンシェルジュ」担当。
主な訳書
クッツェー「恥辱」(ハヤカワepi文庫)、「エリザベス・コステロ」「遅い男」(以上、早川書房)、アトウッド「昏き目の暗殺者」(早川書房)、「ペネロピアド」(角川書店)、ミラー「器用な痛み」(白水社)、ブロンテ「嵐が丘」、ミッチェル「風と共に去りぬ」(2015年3月刊)(以上、新潮文庫)、ウルフ「灯台へ」(河出書房新社 世界文学全集Ⅱ-1)
主な著書
「カーヴの隅の本棚」(文藝春秋)、「熟成する物語たち」(新潮社)、「明治大正 翻訳ワンダーランド」(新潮新書)、「本の森、翻訳の泉」(作品社)、「翻訳問答」(片岡義男との対談集 左右社)、「全身翻訳家」(ちくま文庫)、「翻訳教室 はじめの一歩」(ちくまプリマー新書)、「孕むことば」(中公文庫)、「翻訳のココロ」(ポプラ文庫)
編集者・株式会社コルク代表
三枝 亮介
作家
柴崎 友香
詩人・翻訳家
関口 涼子
宇都宮大学国際学部准教授
田口 卓臣
東京大学准教授
武田 将明
作家
田中 慎弥
青山学院大学准教授
田中 裕介
早稲田大学教授
都甲 幸治
作家
中島 京子
東京大学准教授
中島 隆博
作家
中村 文則
作家
平野 啓一郎